ネットやSNSで見かける「オキシクリーンを使用すると洗濯機に悪影響を及ぼす」という指摘には、大きく分けて4つの理由があります。
- ドラム式洗濯機は泡立ちに対して敏感
- 適切な量を使用しないことによる溶解不良
- ゴミの捕集不十分や大きなゴミの塊が原因での詰まり
- ステンレス部分の酸化反応
特に、ドラム式洗濯機は、立て型洗濯機に比べて構造が異なりますから、オキシクリーンの用い方に注意が必要です。
我が家では4年以上にわたり通常のオキシクリーンを洗濯機のお手入れに使っています。適正な量を使用すれば洗濯槽は非常に綺麗になり、洗濯機が壊れることは一度もありませんでした。
誤った使用法では故障のリスクや衣服へのゴミ付着の原因となりうるので、この記事を注意深く読んで、正しい洗濯槽の清掃方法を実行しましょう。
それでは、原因を順に詳しく見ていきましょう。
ドラム式洗濯機と泡立ちの問題
ドラム式洗濯機は構造的に室内が完全に閉じられるため、泡が過剰に発生すると、その泡を感知するセンサーが連続して排水や水の追加を行なうよう設計されています。
泡の生成が多過ぎればドアの隙間から溢れ出したり、泡センサーの誤動作によってすすぎ作業が完了しない場合があります。
このため、泡立ちをよくするオキシクリーンを使い過ぎないように、正確な割合で水に混ぜることがトラブル防止策です。
オキシクリーンの正しい量を計る
オキシクリーンは粉末状であり、水やお湯に解かして使用するものです。しかし、過剰に使用すると、洗濯槽の底に残ったり、塊となって固まる可能性があります。
これが洗濯機のパーツに触れることで摩耗や破損の原因となるケースがあります。縦型にしてもドラム式にしてもオキシクリーンは故障の原因となり得るため、特に大容量のものを購入する際は注意が必要です。
つい多く使ってしまいがちだが、計量スプーンを使用してしっかり計量することが推奨されます。
ゴミによる洗濯機の詰まりを防ぐ
縦型洗濯機の場合は、オキシクリーンで浮かんだカビのかたまりなどをネットで取り除けますが、ドラム式では途中でドアを開けられずゴミを取り出すのが難しいです。
汚れが目立つ時は特に、排水路や糸くずフィルターがゴミで詰まる危険があります。
ステンレス部品の腐食に注意
洗濯機のステンレス製のパーツや洗濯槽は、オキシクリーンに長時間漬け置きすることで、徐々に腐食する可能性があります。
故障を引き起こすまでには至らなくても、表面が曇ったり色が変わったりするため、ステンレスが使われている洗濯機では、長時間の漬け置きは避けましょう。
オキシクリーンを使った正しい洗濯機のメンテナンス方法
オキシクリーンを利用した洗濯機の槽洗い手順を紹介します。
縦型洗濯機での槽洗い
- 糸くずフィルターを外します。
- 最高水位まで水またはお湯を満たし、オキシクリーンを投入します。
- 洗濯槽清掃コース、もしくはない場合は通常の洗濯コースを約10分間実行します。
- 「一時停止」を押して、30分から6時間ほど放置します。
- 洗濯機を動かし始め、水上に浮上したカビや汚れなどをネットで取り除きます。
- 水がきれいになるまで第5項を繰り返します。
ドラム式洗濯機での槽洗い
- 溶かしたオキシクリーン液を洗濯機内へと注ぎ込みます。
- 洗浄コースを選択し、スタートします。
- 洗浄終了後、洗濯槽およびクズ取りフィルター内の残留物を除去します。
縦型とドラム式洗濯機では、オキシクリーンの量や洗浄プロセスに差異がありますので、それぞれのタイプに合わせた方法をご紹介していきます。
縦型洗濯機の洗浄方法
縦型洗濯機をオキシクリーンを用いてきれいにする際は、注意すべきポイントがあります。それは、「適量を正確に測る」「お湯を使って浸け置きする」「残留物をきちんと除去する」の3点です。具体的な準備品と手順について解説します。
必要な物品
- オキシクリーン
- 水又はお湯
- ゴム手袋
- ゴミ取りネット
- 雑巾またはペーパータオル
まず、洗濯機の糸くずフィルターを取り除いてください。オキシクリーンを用いた際には、カビやその他の汚れが大量に浮上することがありますので、フィルターは事前に外しておくことが重要です。
フィルターを一緒に洗いたい場合は、取り外して、別の容器に入れてオキシクリーンに漬け込んでください。
次に、洗濯槽に高水位までお湯または水を溜めてください。そしてオキシクリーンを投入します。より効果的な溶解と汚れ落としを目指すために、40℃から60℃の間のぬるま湯が最適です。
オキシクリーンの量は、水4リットルに対して添付スプーン1杯で良いですが、パッケージや公式サイトには「実際の汚れ具合や水の量に応じて量を調整してください」と案内されています。
ただし、過剰に加えてしまった場合には溶け残るリスクがありますので、慎重な計量を心掛けましょう。
その後、洗濯機の槽洗浄コース、もしくはそれがない場合は標準コースを利用して10分程度稼働させます。
この段階で、もし十分に溶解していなくても、オキシクリーンを追加するのは待つべきです。標準コースの場合は15から20分後に排水が始まるため、排水開始前に洗濯機を一時停止させてください。
オキシクリーンが溶け切ったことを確認したら、洗濯機を停止して、30分から6時間放置します。新品の洗濯機なら短時間で構いませんが、5年から10年使用し、あまり槽洗浄していない場合は、3時間以上の放置が推奨されます。
放置後、水面に浮かんだカビなどの汚れをネットで掬い、洗濯機をもう一度5分間稼働させます。この作業は手荒れのリスクを避けるため、ゴム手袋の着用が望ましいです。
清潔な水が得られるまで、この掬い取り作業を繰り返してください。手を抜かずに徹底的に行う必要があります。残った汚れは次の洗濯時に服に付着する可能性があるからです。
最後に、洗濯槽が綺麗になったら、「すすぎ」と「脱水」を完了させる槽洗浄または標準コースで洗濯を終えます。
この過程でも汚れが目についたら、ネットで除去し、「脱水」が終わった後、洗濯槽内に残り汚れがないかを確かめ、万が一ある場合は拭き取り、洗浄を完了します。
ドラム式洗濯機のお手入れ術
ドラム式洗濯機をオキシクリーンを使って洗浄する際のコツには、「正確な分量を計る」「水かお湯で溶いた後に使用する」「複数回繰り返す」「定期的な槽洗浄を習慣化する」という4つのポイントがあります。それでは、必要な物と手順について見ていきましょう。
- オキシクリーン
- 水またはお湯
- 雑巾またはペーパー
- まず、タライやバケツでオキシクリーンを水かお湯にしっかりと溶かし、洗濯機内へと投入します。この時、洗濯機の中で後から追加される水の量を考慮し、オキシクリーンは比較的多めにしても構いません。
- 槽洗浄専用のコースを選んで、スタートボタンを押して洗浄開始。可能なら温水モードや長めの漬け置き時間を設定し、より効果的な槽洗浄を心掛けましょう。スタートボタンを押したら、終わるまでの間は手を離して待機するだけです。
- 洗濯槽と糸くずフィルターの汚れをチェックし、ゴミやカビを取り除きます。異常な量のゴミがある場合は、ひと通り除去した後、再度槽洗浄コースを実行することをおすすめします。徹底した清掃が必要な場合は、洗濯槽洗浄を数回に分けて実施することが求められることもあります。
- 定期的に槽洗浄を行うことで、オキシクリーンを使った洗浄作業も簡単になります。2週に1回の軽い槽洗浄や、2か月に1度の徹底洗浄を行うことで、常に清潔な洗濯槽環境を保つことが大切です。
洗濯槽専用オキシクリーン:使い勝手の良い1回分パック
「洗濯槽だけをキレイにしたい」「多くて使い切る自信がない」と思われる方へ朗報です。特に槽洗浄に特化した「オキシクリーン洗濯槽クリーナー粉末タイプ」が市場に出回っています。
この製品は槽洗浄に必要な量がひとつのパックになっており、1パックごとに4つのセットが用意されています。必要最小限でコストを抑えたい方にはぴったりのアイテムです。
さらに、このパウチタイプの製品はドラム式洗濯機に「特におすすめ」とされており、過剰な泡立ちや使用量の問題によるトラブルを避けることができます。一般的なオキシクリーンを購入する前に、まずはこの製品をお試しになるのも一案かもしれません。
オキシクリーンの有効活用法と使用上の注意
アメリカ製オキシクリーンと日本製オキシクリーンでは成分が若干違うため、使い分けることが大切です。
通常の酸素系漂白剤と同様に、オキシクリーンは「衣類の染み抜き」や「フローリング、テーブルの除菌作業」、「バスルームやトイレの頑固な汚れ」、「茶しぶの除去」といった場面でその効果を期待できます。
ただし、ウールやシルク、金属パーツ付きの衣服など、デリケートな素材やアイテムには使用すべきではありません。これらの素材はオキシクリーンによって傷んでしまう可能性があるからです。
ここからは、オキシクリーンをうまく使うコツや留意点について、一点ずつ詳しくご説明していきます。
オキシクリーンの国別成分差
オキシクリーンにはアメリカ仕様と日本仕様(製造地は中国)が存在し、その成分に違いがあります。
アメリカ仕様の方には泡立ちを促進する界面活性剤や発泡剤が配合されているため、泡を用いてしっかりと汚れを除去できます。一方、日本仕様の製品には界面活性剤や香料が配合されていないため、赤ん坊のアイテムにも安心して使用可能です。
手強い汚れを取り除く際はアメリカ仕様を、ペットや赤ん坊のアイテムを漂白したい場合は日本仕様を選ぶと良いでしょう。特にドラム式洗濯機の場合は泡立ちが少ない製品が故障のリスクを軽減できるため、日本仕様をお勧めします。
オキシクリーン活用法のおすすめ
オキシクリーンは、様々なしつこい汚れをキレイにすることができます。
衣類のシミ取り
服のくすみや黄ばみには、洗濯槽にオキシクリーンをスプーン1杯(4リットルに対して)投入し、20分間つけおきするか、普段どおりの洗濯プロセスで対応できます。
例えば、しょうゆの汚れのような強いシミは、500mlの水にスプーン1杯のオキシクリーンを溶かし、シミ部分を5分間浸すことで落とせます。
塩素系漂白剤と異なり有色の衣類でも使用可能なため、日頃の洗濯に取り入れやすいです。ドラム式洗濯機での使用時はオキシクリーンのみで予洗いし、その後通常の洗濯に移るのが推奨されています。
フローリングやテーブルの除菌
オキシクリーンは汚れ除去効果に加え、除菌作用も兼ね備えているため、コロナウイルス対策のお掃除でも大活躍します。
通常の洗濯槽洗浄と同じ割合で溶液を作り、雑巾などに浸してテーブルやフローリングの拭き掃除に利用できます。オキシクリーンのヌメリが気になる場合は、水拭きを後から行うと良いでしょう。
お風呂やトイレの汚れ除去
風呂桶やトイレの便器についた頑固な汚れも、オキシクリーン溶液に浸しておくことできれいになります。
通常のお掃除と同様にブラシに付けて使用しましょう。ただし、オキシクリーンが残っていると浴槽や便器を傷つける恐れがあるので、注意が必要です。
茶渋の除去
日本仕様のオキシクリーンは食器への使用にも安心です。茶渋がこびりついた食器や洗いにくい構造のアイテムには、オキシクリーンを少々入れた後水を注ぎ、置いておくだけで清潔になります。
パッキンの溝やプラスチックの染みついた汚れも、泡が持ち上げて除去するので、簡単にキレイにすることが可能です。
オキシクリーン非対応素材と特殊な汚れ
多くの汚れに対して効果を発揮するオキシクリーンですが、使用しないほうが良いものや除去できない汚れがいくつか存在します。具体的に注意が必要な例を挙げていきます。
ウールやシルク素材
天然素材であるウールやシルクのような繊細な素材は、酸素系や塩素系のどちらの漂白剤も適していません。
これらの素材は通常の洗剤使用時でも傷む可能性がありますから、専用の洗剤を選んだり、目立つ汚れがあればプロのクリーニングに頼むのが賢明です。
金具付き衣服の浸け置き洗い
金具が付いた衣類へのオキシクリーンの使用には注意が求められます。金属のタイプによっては腐食や黒ずみが生じ、それが衣類に色移りする可能性があります。
ファスナーなどの金具がついた衣類は別洗いにするか、部分的なシミ取りに留めた方が安全です。
根深いカビ汚れ
オキシクリーンには汚れを浮かせて取り除く機能はありますが、漂白力はそれほど強くはありません。したがって、黒カビなど根が深く定着した汚れにはそれほど効き目がないことが多いです。
特にバスルーム等の水周りのパッキンのようにカビが深く入り込んでいる場合は、より漂白力の強い塩素系漂白剤の利用をおすすめします。
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