イニシャルは一文字だと、名前でも苗字でも好みに応じて選べます。違う国では違う慣習が存在するため、間違っているということはありません。
日本では徐々に日本式の表記順へとシフトしてきていますが、これは世界各国の文化を尊重する流れに沿った変化といえます。当記事では、イニシャルを一文字で記すときの順番に関する情報をご提供します。
さらに、イニシャルを二文字書く際の順番や、ピリオドの使い方についての疑問もご説明していきますのでご安心ください。そして、オシャレで可愛らしいイニシャルの書き方例も披露しますので、ご期待ください。
イニシャルを一文字で書く場合のポイント
イニシャルをたった一文字で表す際には、名前または苗字どちらを先に記載しても問題ありません。例を挙げると、佐藤花子さんの場合は以下の通りです。
- 欧米式のイニシャル「名前」から書いた場合: Hanako Sato
- 日本式のイニシャル「苗字」から書いた場合: Sato Hanako
イニシャルの表記順番が自由な理由は、日本では明確なルールが設けられていないからです。2019年、文化庁はローマ字での名前の記述において従来の欧米式から日本式の「苗字-名前」順に移行するよう示唆しました。
また、欧米で主流のサイン文化とは対照的に、日本は印鑑を使用する文化が根付いています。名前は各国の文化を反映する重要な要素です。世界中の様々な文化への尊重の考え方が高まる中、イニシャルの記載もその国独自の文化に則った書き方が取り入れられつつあります。
ピリオドはいつ必要?イニシャルの書き方とその意味
ピリオドは常に必要なわけではありません。大文字で書かれた、明らかに省略形である単語ではピリオドを省略することがあります。例えば、「JFK」と書けば、誰もがアメリカの元大統領ジョン・F・ケネディを指すと理解します。国によってピリオドの使用法が異なり、アメリカではピリオドを使わないことも文化的に認められています。
ピリオドの主な役割は、「省略された単語の末尾」を示すことです。例として、佐藤太郎さんのイニシャルでは、「S.T.」「T.S.」「T. Satou」「Taro Y.」という表記があります。英語圏では名前(First name)の省略は一般的ですが、姓(Last name)を省略することはほぼありません。
性別を特定しづらくするために、あえてFirst nameを省略する使い方も存在します。
日本で見られるイニシャルの誤った表記、「T.S」については注意が必要です。名前と姓を両方省略する場合は、「T.S.」とし、ピリオドを二つ付けるのが正しい形です。
日本独自の「姓-名」の順序でイニシャルを書く場合は、コンマを活用する方法もあります。
たとえば、山田一さんのイニシャルは、「Yamada, Hajime」「Yamada, H.」「Y., Hajime」「Y., H.」などと表されます。コンマが入ることで、イニシャルの区切りがより明確になり理解しやすくなります。
名前と苗字を記載する際の順番
フルネーム、つまり名前と苗字を記載する際は「名前-苗字」の形で書くのが一般的です。これは、欧米の慣習に沿った形であり、国際的な文脈ではこの順序が広く採用されています。
たとえば、パスポートやクレジットカード、その他公的書類のサインなど、海外で使用する場面が想定される際には、この欧米式の順番に従うことで、相手にとって理解が容易になるのです。
例として、「佐藤太郎」の場合には、「Taro Satou」と記載することになります。
記入する書類に「first name(名前)」、「middle name(ミドルネーム)」、「last name(苗字)」といった欄が設けられている場合は、示された項目に従って入力するのが適切です。
日本人として国際的な文書にフルネームの記入を求められた際には、まず該当国の記載規則を確認し、それに従って名前を記入することが重要です。
外国人のイニシャルを記載する際のミドルネームの扱い方
外国においては、人の名前がミドルネームを含むことが一般的です。ミドルネームは、「名」の直後、「姓」の前に置かれます。例として、アメリカ合衆国の第45代大統領ドナルド・トランプの正式な名前では「Donald John Trump」となり、この「John」が彼のミドルネームとして機能しています。
ミドルという語には「間の」という意味があり、多くの欧米人は名前の一部としてミドルネームを持っており、中には複数のミドルネームを持つ人も存在します。
さらに、ミドルネームはイニシャル形式で表記されることもあります。例えば、アメリカ合衆国の第35代大統領ジョン・F・ケネディでは、ミドルネームは「Fitzgerald」の頭文字を取った「F.」です。
歴史的にミドルネームの起源はキリスト教の洗礼名に関わりがありましたが、今日では人と人との区別をし、誤用を防ぐためのセキュリティ機能としての側面も持ち合わせています。ミドルネームに選ばれる名前には、祖先の名前や母方の姓、尊敬する人物の名前など、多岐にわたる由来があります。
可愛らしいイニシャルの描き方イロイロ
おしゃれな筆記体やサイン風デザインで、魅力的なイニシャルの描き方をお伝えします。
自分だけの手書き文字テクニック
- 最初に鉛筆でガイドラインや円を描きます。紙には、文字の基となる横線を3本から5本程度引き、それをもとにイニシャルをバランス良く配置します。円形のガイドを先に描き、そのエリア内に文字を入れても良いでしょう。完成後は、ペンでトレースしたら、鉛筆のガイドラインや円を消しゴムで消します。
- お手本となるフォントを活用します。お気に入りの筆記体やデザインフォントを印刷し、その上に別の紙を重ねてなぞって練習したり、模写してみましょう。
- 手書き文字にイラストを加えます。文字だけでなく、花やスマイリーフェイスなどのイラストを添えることで、より一層楽しく、魅力的な仕上がりになります。
- 様々な種類のペンを用意しましょう。使用するペンによって文字の印象は大きく変わります。太い文字でビビッドな雰囲気を出すなら太いマーカー、詳細な部分をスムーズに描くならジェルペン、強弱をつけたいならブラシペンが適しています。自身が使いやすいと感じるペンを何本か集めて、オリジナルのイニシャルを作成してみましょう。
イニシャル一文字記載の際のポイント
- イニシャルを一文字で示す場合、氏名のどちらを取るかは自由です。
- 一文字イニシャルには原則としてピリオドが必要ですが、すべて大文字で明確な場合は省略可能です。ピリオドは省略を表します。
- 名前と苗字を両方記載する際は、「名前-苗字」の順番で記すと、欧米式に沿っていて認識しやすいです。これは公式文書やパスポート、金融機関での記入時に特に重要です。
- ミドルネームがある場合は、名前(ファーストネーム)と姓(ラストネーム)の間に記入します。
- イニシャルの可愛い書き方の例として、筆記体やデザイン風のアレンジがあります。平行線や円を用いてバランス良く書く練習、お気に入りのフォントをプリントしてなぞる、花などのイラストを組み合わせる、複数のペンを使い分けるなど、個性的な方法を試すことが出来ます。
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