「ハッカ油を使用すると虫が集まるのでは?」という疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
確かにハッカ油は、一般的に虫を避けるためのリペレント(忌避剤)として知られています。
ところが、虫の種類によってハッカ油の香りを好むケースもあることが分かっています。
ハッカはミントと同じくシソ科に属する植物で、メントールいう成分が共通して含まれており、通常、そのメントールの香りは虫には不快なものです。
しかしながら、ミントの香りを好む虫も存在し、それらはハッカ油の類似した香りにも引き寄せられることがあります。
今回は、ハッカ油に引き寄せられる虫とそうでない虫の情報を、くわしく解説していきます。
ハッカ油に虫が集まるって本当?【総括】虫次第です!
ハッカ油には一定の防虫効能が認められるものの、ミントの香りが逆に虫を引きつけることがあるので、使用の際にはその点を留意する必要があります。
ハッカ油に魅かれる虫について
ミントのような香りに惹かれる生き物として、シバンムシが知られています。
この虫はハッカ油の香りを持つ成分に吸引されやすい性質を持っており、ハッカ油を嗅ぎつけると近寄ってくることがあります。
シバンムシの体長は約1.5から3ミリメートルで、色合いは赤褐色から黒に近い色をしており、見た目がコガネムシやメスのカブトムシに似ています。
この虫が好む食料品の一覧は以下の通りです:
- お米
- そうめん
- パスタ
- 小麦粉
- 鰹節
- 香辛料
- ビスケット
- クラッカー
- ペットフード
シバンムシに対しては、ハッカ油を忌避剤として使用しても効果は期待できないため、食料品を保存するストッカーにはハッカ油をスプレーしないよう注意が必要です。
虫が寄り付かなくなるハッカ油
ハッカ油は、多くの虫が嫌う忌避作用を持っています。この効果は、次に挙げるような害虫に特に顕著です。
- ゴキブリ
- アリ
- シロアリ
- カメムシ
- ダニ
- アブ
- 蚊
- 蜘蛛
ただし、ハッカ油を用いた防虫スプレーを自作する際には、希釈する量に注意が必要です。
希釈率が低すぎると、虫を退治する成分が弱まり、効果が期待できないばかりか、逆効果で虫を引き寄せてしまう恐れもあります。
効果的なスプレーを作成するための希釈レシピとしては、無水エタノール10mlと精製水90mlの混合液に対して、ハッカ油を5~10滴加えるのが好ましいです。
ハッカ油の香りは、一定期間である数日間持続しますが、その効果は長くてもおよそ一週間程度です。ですので、適宜、スプレーを更新し、対策を続けることが大切です。
ハッカ油の利点
身近なアイテムであるハッカ油には多彩な利点があります。特に注目すべきは、昆虫が苦手とする独特な香りがするため、ゴキブリなどの害虫退治に有効だという点です。さらに害獣たちもハッカの香りを敏感に感じ取り、不快とする傾向があります。例えば次のような動物たちが該当します。
- ネズミ
- イタチ
- コウモリ
また、ハッカ油の強烈かつ特徴的な香りは、お部屋の嫌な臭いを相殺する消臭効果も期待できるため、下記のような場所の臭い対策にも役立ちます。
- 居間
- 調理スペース
- 浴室
- 玄関先
- ごみ箱周辺
また、人は多くの場合、スッキリとさわやかなペパーミントの香りを好む傾向にあります。
心が沈んだ時やストレスを感じている時に心地よい香りに包まれることで、気分をリフレッシュさせる効果が期待でき、ストレス対策としても活用することができます。
おすすめのハッカ油
リーズナブルな価格で購入可能なハッカ油は、アクセスしやすいドラッグストアや、楽天市場、Amazonといったオンラインショップで容易に見つけることができます。
- 健栄製薬 天然ハッカ油P 20ML
- 大洋製薬 食品添加物 ハッカ油 20ml (天然ハッカ油)
- 北見通商 ハッカ油 スプレータイプ
ハッカ油の3つのデメリットとは
ハッカ油の利点に注目が集まることが多いですが、以下のような欠点も理解しておく必要があります。
- 熱中症の予防には効果がありません
- アレルギー反応には十分気を付けましょう
- ペットなどの動物への使用は避けてください
これらの点を一つずつ詳しく説明していきます。
熱中症の予防には効果がありません
ハッカ油を使った際の一時的な冷たさを感じる効果は、体温を実際に低下させるものではありません。
病的な発熱を抑える効果も期待できないため、熱中症予防にハッカ油を当てにするのは間違いです。メントールが持つ清涼感が皮膚の感覚を刺激し、脳を錯覚させることで涼しさを感じさせるに過ぎません。
そのため、ハッカ油を用いて得られる「スーッとした」感覚は、あくまで一時的なものと捉え、本格的な熱中症対策には適していないということを理解しましょう。
実際に熱中症を防ぐためには、日頃の健康管理に留意し、しっかりと睡眠を取る、十分な水分を摂るといった基本的な対策が大切です。
アレルギー反応には十分気を付けましょう
メントールを多く含むハッカ油を使う際は注意が必要です。誤った使用方法ではアレルギー反応が起こり得ます。
アレルギーによる症状として皮膚の炎症や悪心、下痢などが挙げられ、重症化するとチアノーゼをはじめとする中毒症状が現れることも考えられます。
これらのリスクを減らすためにも、ハッカ油は原液ではなく、無水エタノールや精製水で適切に希釈して使用することを推奨します。
希釈したハッカ油を使用する際も、目や粘膜との直接的な接触は避けるべきです。万が一、目にハッカ油が入ってしまった場合、迅速に水で洗い流してください。
ペットなどの動物への使用は避けてください
天然由来のハッカ油ですが、その成分には動物に有害となる脂溶性の化学物質が含まれています。この物質は体内で簡単に分解されず、蓄積すると毒性を示すようになります。
特に猫にとっては非常に危険で、彼らはこのような脂溶性化学物質を効率よく分解することができません。
万が一、口にしたり、皮膚や毛に付けたり、空気中に拡散したオイルを吸引すると、体内で毒素が蓄積され健康を害することがあります。
ハッカ油やアロマオイルを誤って猫が使ってしまうと、中毒症状に陥ったり肝臓に障害をもたらしたりすることがあるため注意が必要です。猫だけでなく、猫と同様に他の小動物にも毒性があることが知られています。
従って、ハッカ油を利用する場合は、ペットたちへの害がないよう慎重に行動し、特に以下の動物たちが付近にいないか確認が必要です。
- ハムスター
- フェレット
- うさぎ
- 小鳥
虫を引き寄せる油とその対策
私たちが普段使っている食用油ですが、実はこれがゴキブリやアリといった虫たちを家に引き寄せる原因になることがあります。特によく使われる下記の油に注意が必要です。
- サラダ油
- キャノーラ油
- ごま油
- オリーブオイル
- ココナッツオイル
- アマニ油
- 米油
これらの油を使った後には、しっかりとキャップを閉じて保存することが重要です。
さらに、キッチンのコンロ下などにある収納場所には新聞紙を敷き、その上にこれらの油を置くというのも一つの対策方法です。
汚れが気になるときや、油がこぼれた際にも新聞紙が吸収してくれるので、衛生的にも効果的です。
ハッカ油の代わりに使える虫除けのオイル
虫除けとしてハッカ油の効力に頼っている方も多いと思われますが、他の選択肢として強力なオイルが存在します。それは、ヒバ油というものです。
ヒバ油は、青森県産のヒバ木から抽出される天然油であり、特有の成分ヒノキチオールを含んでいます。
この成分には複数の効果が認められており、皮膚のトラブルを和らげたり、メラニンの過剰生成を抑えるなど、皮膚への良い影響が期待できる点で注目されています。具体的な効能としては次の通りです。
- 虫を寄せ付けない
- カビの発生を防ぐ
- 抗菌作用
- 湿気を抑える
- 悪臭を消去する
また、特筆すべきこととして、通常ハッカ油には効果を示さないシバンムシも、ヒバ油の香りを非常に嫌うという点が挙げられます。ヒバ油が漂う空間には近寄らず、これによりシバンムシの忌避効果も得られるわけです。
インターネット上でしばしば話題になるハッカ油の虫除け機能ですが、ヒバ油にもその力があることは驚きです。しかもそれがシバンムシにまで有効だとは、多くの方が知らない事実かもしれません。
もしも虫が苦手であるなら、このヒバ油は虫除け対策の優れた選択肢となり得ますのでおすすめです。ハッカ油とヒバ油を併用することで、さらに効果的な虫除けスプレーをご自宅で簡単に作成することができ、幅広い害虫に対する駆逐効果を試してみる余地があります。
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