ギターのラッカー塗装が溶ける時は下記の4つが考えられます。
- 化学反応を起こしたとき
- お手入れに使うアイテムが専用のものではないとき
- 使用する場所が適切でない時
- 経年劣化
それぞれに対する対処法や対策はありますが、経年劣化はやむを得ないとして、そもそもギターを使う上で正しく使い、正しくケアしていくことで塗装が剥げる事は起きません。
ギターを含め楽器というのはかなり繊細です。天候、温度、湿度によっても音が変わったりするほど緻密なものなので、日ごろから丁寧に使うようにして綿密なケアをし、長持ちするようにしていきましょう。
ギターのラッカー塗装が剥げたときは素人に補修は無理なので、被害が大きくなる前にリペア業者に依頼することをお勧めします。
今回の記事では、
- ギターのラッカー塗装が溶けるのはどんな時?原因とは
- ギターのラッカー塗装が溶けた時のメンテナンスや対処法は?
- ギターのラッカー塗装が溶けないように対策はできる?
などを紹介していきますので、ギターのラッカー塗装が溶けた人やギターのメンテ、ケアの方法を知りたい方は最後まで読んでいただくと対処や対策ができますよ。
ギターのラッカー塗装が溶けるのはどんな時?原因とは
ギターのラッカー塗装が溶けてしまうのは主に下記の4つが原因と考えられます。
- 化学反応を起こしたとき
- お手入れに使うアイテムが専用のものではないとき
- 使用する場所が適切でない時
- 経年劣化
ラッカー塗装というのは、エレキギターに用いられる昔からある塗装です。塗装の正式名称は「ニトロセルロースラッカー塗料」です。
ラッカー塗装は、樹脂の中にある溶剤が蒸発して硬化している塗料なので、表面上固まってはいますが、本当の意味で結合はしていないため溶ける可能性があるのです。
経年劣化は仕方がないですが、その他の部分は、ギターを正しくつかい、適切なケアやメンテを都度行っていればラッカー塗装が溶ける事はないでしょう。
化学反応
化学反応を起こしてラッカーが溶けるケースは以下のようなことが考えられます。
- 溶剤が付着した(シンナー、ガソリン、ネイル除光液)
- スタンドや譜面台のゴムと一定時間接触していた
溶剤が付着する確率はかなり低いでしょうが念頭に置いて気を付けてください。
スタンドのゴムの接触は、知識として知らないと当然のことのようにスタンドにギターを長時間置いておくでしょう。
スタンドのゴムとラッカーが接触している時間が長いと化学反応を起こすので、溶けることはもちろん、変形すら起こしてしまうので、ギターの立てかけは短時間に収めるようにしましょう。
ギターを使わないときも立てかけておくのではなく、ラッカーが溶けるのをはじめ、傷がつくことなども防ぐためにも専用のケースに入れて保管することがおすすめです。
お手入れに使うアイテムが専用のものではない
ギターをお手入れするときにポリッシュ材を剤を使用する人もいますが、ポリッシュ剤が塗膜を溶かすことも考えらえます。
ポリッシュ剤を直接使わなくても、浸透しているクロスなどを使って拭いていればそれも溶ける原因となりますので気を付けましょう。
使用する場所が適切でない
ラッカー塗装というのは塗膜の表面がかなり薄いので、天候や湿度に左右されやすいのです。
そのため、外で使うとダメージが大きく塗装の表面が白くなってくる、塗装が溶けるなどの現象が起こります。
経年劣化
ラッカー塗装に限らずですが、経年劣化は必ずあります。
ラッカー塗装した後、硬化が進んで経年劣化していくことになりますし、温度や湿度などの影響で白く濁りが見られるのも経年劣化の現れです。
ラッカー塗装の特徴
ラッカー塗装の特徴は以下のようなものがあります。
- 完成度が高く美しい
- 塗膜が薄く、ギターの音色の邪魔をしないため音が良い
- 塗装が難しくて時間や手間がかかる
- 環境やゴム素材などに弱い
- 溶剤で溶ける可能性がある
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ラッカー塗装は、ギターが完成している時点でも硬化しきっておらず、使っている間も徐々に硬化し続けているものなのです。そのため、長い年月で性質が変わっていくという特徴もあります。
ラッカー仕上げかどうかの見分け方は?
ギターの塗装は基本的にラッカー塗装かポリ塗装、オイルフィニッシュの3つのどれかが施されています。
ギターのラッカー塗装が溶けた時のメンテナンスや対処法は?
ギターのラッカー塗装が溶けたときは、軽くふき掃除だけをしてください。
その後のメンテや対処は自身ですると危険です。
修理としては、部分的な塗装か全体塗装の塗りなおしで対処することになるでしょう。ただし楽器塗装の経年劣化の具合で、部分塗装では対応できないケースもあります。
溶けた部分をヤスリで削っている人を見かけますが、絶対にしてはいけないそうです。ラッカー塗装は素人に補修は不可能なのです。素人がやることでさらにダメージを広げることもあります。
ギターのラッカー塗装が溶けたらプロにリペアを依頼しましょう。
ギターのラッカー塗装が溶けないように対策はできる?
ギターのラッカー塗装が溶けないようにするには日ごろギターを使う時、ケアするとき、保管するときそれぞれにおいて気を付ける事があります。
ギター使用時に気を付けたいこと
ギターを使用する際にはラッカー塗料が剥げないように下記の4つに気を付けましょう。
- ギターを屋外で使用するのは極力避けましょう。
- そのほかにもギターに温度差の負荷がかかるとフィニッシュにダメージを与えてしまいます。特に真冬の外と室内の暖房、真夏の外と室内の急激な冷房などの温度差はNGです。
温度差を激しく感じる季節には、すぐにギターを出さないでしばらくケースの中で沈ませて環境に順応したらケースから出すようにしましょう。 - ギターに傷がつくと塗装の剥がれに繋がります。特にギターのベルトを使用するとベルトのバックルがギターにあたり傷をつけてしまうのです。これは気づかないうちにやっているので、いつのまにかバックルの傷が増えて塗装が剥げます。
メンテやケアの時にはそういうギターのボディーの傷もチェックしていきましょう。 - スタンドを使ってギターを置くときがあると思います。その時にまず使うスタンドはラッカー塗装に対応しているスタンドかどうかの確認をしましょう。
ギタースタンドについているゴムも塗膜にダメージを与えますので、長時間スタンドに置きっぱなしにするのはやめましょう。
ギターのケア時に気を付けたいこと
ギターのケア時にラッカー塗料が溶けたり剥げないように次の4つの点に注意してください。
- ギターを使用したその後、コットンのクロスで汚れや皮脂、汗を拭きとりましょう。ポイントはクロスが100%コットンであることであり、ラッカーフィニッシュに使えるクロスを使うことなのです。金属パーツもすべて吹き上げ掃除を必ずしておきましょう。
- ギターを磨くときにポリッシュ剤を使用しますが、ポリッシュ剤がラッカー塗装に対応しているものか確認してから購入しましょう。そして磨くときには軽い手触りで磨き、決して力を入れすぎないように気を付けてください。
- ギターの磨き、拭き上げのケアは必ず行いましょう。汚れが残ったり余計な水分が付着したままで収納することで酸化させて塗装にダメージを与えてしまいます。併せて金属パーツ部分も錆などの損傷に繋がりますので、毎回拭き上げは確実に丁寧に隅々まで行いましょう。
- ギタースタンドと接触をしても保護してくれるスリーブを使用することもおすすめです。
保管
ギターを使った後片づけるのは、ギターケースの中にしましょう。
時々ギタースタンドに置きっぱなしの状態を見かけますが、置きっぱなしだと前述したようにスタンド台とラッカー塗装が科学反応を起こし塗装が溶けてしまいます。
接触しているゴムだけでなく、温度や湿度によっても寿命が変わってきたり塗装の具合が変わりますので、保管はギターケースでできればハードケースにして保管場所の湿度は50%前後にしておきましょう。
またギターは絶対に直射日光に晒さないようにも気を付けてください。直射日光の影響で塗装が溶けたり剥がれたり、色あせ、変色に繋がるので注意しましょう。
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