秋の恵み、サツマイモはその保存性の高さから非常に便利な野菜です。しかし、保管方法に注意しないと、期間が短くなり味も劣化してしまう可能性があります。では、サツマイモを適切に保存するための方法にはどういったものがあるのでしょうか。
サツマイモを長持ちさせる保存テクニック
野菜を保管するには一般に室温保管、冷凍、冷蔵の3種類に分けられます。サツマイモは低温にとても弱く、寒い環境での保存は低温障害により品質を損ねてしまう恐れがあります。したがって、冷蔵もしくは冷凍庫での保存はお勧めできず、一般的には常温での保存が最適な方法です。
段ボール箱を利用した室内保存法
サツマイモに付いた土をそのままにして3~4日間干した後、新聞紙で1個ずつ包み、もみ殻が敷いた段ボール箱に入れて保存します。この段ボール箱は廊下や土間収納など、気温変化が少なく暗闇の場所が適しています。この方法による保存期間は、保管環境によって異なりますが、大体3ヶ月から半年間程度です。
発泡スチロール使用による保存法
段ボール箱を使用する方法と同じく新聞紙でサツマイモを個別に包んだ上で、発泡スチロール製の箱に収めます。この場合、もみ殻は必要ありませんが、フタをしてしまうと空気がこもり腐りやすくなるので、直径1センチメートル程度の通気穴をいくつかあけてください。この方法による保存期間も、保管環境によって差はありますが、だいたい3ヶ月から半年程度です。
加熱後の冷凍での保存法
サツマイモは生の状態で保存してしまうと低温障害を受けやすいので、冷凍保存する際は予め蒸したり茹でたりして加熱しておきます。その後、保存袋に入れるかラップできっちり包んでから冷凍庫へ。この方法での保存期間の目安は約1ヶ月です。
冷蔵庫を使った袋入り保存法
冷蔵保存する際には、新聞紙でサツマイモを1本ずつ包んでビニール袋に入れ、袋の口を軽く閉じます。ただし、野菜室は低温設定になっていることが多いので、サツマイモの保管には適しておらず、夏以外の季節は野菜室を使用するのは避けた方が良いでしょう。冷蔵での保存期間の目安はおよそ1ヶ月です。
干し芋のレシピ
自宅で簡単に作れる保存食、干し芋。自然の太陽光を利用する方法と、家庭で手軽にできるオーブン使用の手順があります。必要なのはサツマイモのみ。自家製の干し芋に挑戦してみませんか。
干し芋作りの基礎
- 最初にサツマイモを蒸し、竹串が楽に挿さる程度になるまで調理します。
- 温度が下がったサツマイモは、竹串を駆使して丁寧に皮を剥きます。
- 次に、芋の繊維の方向に注意しながら縦にスライスします。
- 最後に、外での自然乾燥を行う場合は4日から5日間程度天日にさらし、オーブンを用いる場合は100℃に設定し両面を各30分ずつ焼きます。
完成した干し芋は一つずつラップに包み、冷蔵庫での保存かラップで包んだ後、保管用の袋に入れて冷凍庫で保存することができます。冷蔵の場合はおよそ5日間、冷凍であれば約1か月間の保存が可能です。
サツマイモを追熟させて美味しさを引き出すには
掘りたてのサツマイモには甘みがなく、直ちに料理に使ったり干し芋に加工しても満足いく味にはなりません。甘みを最大限に引き出すためには、新聞紙で包み、13〜14℃の涼しくて暗い場所で「追熟」させることが重要です。
追熟の時間は、自己栽培のサツマイモであれば約1ヶ月間、市販されているものであればおよそ2週間が目安です。
まとめ
サツマイモは、適切な気温と湿度環境下では長期にわたって保存することができる便利な野菜であります。大量に手に入れた場合には、賢く保管し、焼き芋やマッシュポテト、さらには味噌汁の具としても幅広く活用して楽しんでみるのもおすすめです。
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