ミックスチーズに現れたカビを誤って口にしてしまった際には、摂取量がごく僅かで軽微なカビであれば重大な問題とはなりません。
しかし、多量に摂取した場合には、肝臓に対する損傷や消化器官に障害を引き起こすことも考えられます。そのため、万が一カビを摂取してしまったら、以下のステップにしたがって対処してください。
- 様子を見ながら安心できる環境で安静にしてください。
- もし下痢や嘔吐の症状がある場合は、それらの自然な排出を妨げずに体から出すようにしましょう(下痢止めなどの薬は使わないでください)。
- 水分を十分にとることを心がけましょう。
- 半日ほど経過を見守り、症状が改善しない場合は医療機関を受診してください。
食べたカビの種類や量にもよりますが、不安を感じる場合は迅速に医師の診察を受けることを推奨します。カビには有益なもの(食用)と毒素を含む種類が存在し、有益なカビ(食用)は青カビチーズや白カビチーズなどに用いられるものです。
しかしながら、たとえ食用のカビであっても、保存状態が良くないと毒素を含むカビが生えることがありますので、摂取は避けるようにしましょう。
本記事では、ミックスチーズなどに発生したカビを摂取してしまった場合の対処法や、通常摂取しても大きな問題とならないカビについて説明しています。
ミックスチーズでカビを摂取した場合の適切な対処法
カビを誤って摂取してしまった場合の対処法について説明します。
様子を注視して安静にする
カビの摂取後、48時間の間に発生する可能性がある腹痛や吐き気に注目し、経過を見守りましょう。
少量のカビは胃酸によって分解されることが多いですが、摂取後に下痢や嘔吐などの症状が出ても、多くの場合は深刻に至ることはまれです。それでもカビが生えた食品は細菌の汚染が懸念されるため、カビそのものよりも食中毒を引き起こす菌が問題になります。
下痢や嘔吐が生じた際は自然に任せる
摂取後30分以上経過してもお腹の不調が治まらず、下痢や嘔吐が続く場合、それらを無理に止めることなく体外に排出させましょう。
これらは体が有害なウイルスや細菌を体外に追い出そうとする自然な防御機構なので、市販薬で抑えることでかえって症状を悪化させることがあります。
水分をこまめに取る
下痢や嘔吐があると脱水症状になる危険があるため、適量の水、白湯、薄めた経口補水液などで水分補給を心がけてください。水分補給を行うことで、身体を活動させ、摂取したカビの毒素を希釈する効果があります。
症状が改善しない場合は医療機関を受診
カビを摂取しても半日以上経過して症状に改善が見られない場合は深刻な問題が隠れているかもしれないので、早く専門の医療機関を受診しましょう。
カビを食べてしまったらどうなる?
カビを食べた際には通常、以下のような症状が見られることがあります
- 腹痛
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
チーズに酸っぱさや不快な舌触り、見た目にも異常があれば、そのチーズが腐敗している可能性が高いです。その場合、安全のために処分する方が良いでしょう。
固形チーズならカビの部分を取り除けばまだ食べることができますが、混ぜ合わせたミックスチーズの場合、目に見えない場所にもカビが生えていることがあるので食べるべきではありません。
一般的にカビの毒性は低いため、大抵は消化過程で無害化され、自然に回復することが多いのですが、免疫力が低下している高齢者や病気を抱える人がカビを摂取すると重篤な症状に至ることがありますので注意が必要です。
チーズにカビが生える原因と対策
ミックスチーズのカビ発生はしばしば賞味期限の過ぎたものが原因であることが多いです。ただし、開封後には賞味期限が短くなるため、開けたらできるだけ速やかに使い切るのが望ましいです。また、手指についた油分や汚れがチーズに付くと、わずかな時間でカビが生えることになりかねません。
チーズを素手で触るのは衛生的でなく、またカビの増殖を招く行為ですから、なるべく素手で直接触らないように心掛けましょう。気温が高い条件下では、カビはさらに繁殖しやすくなります。そのため、カビの生育を防止するためには冷蔵庫での保管が推奨されます。
チーズを小さな塊に分け、それをラップで包み秘密工場で保管しておくと良いでしょう。冷蔵庫への収納が前提でも、通常より早く劣化してしまうので4から5日間を目安に使用し、それ以上保存する必要がある場合は、冷凍保存が適切です。
ミックスチーズの冷凍保存には、密閉性の高いジッパーつきの保存袋が役立ちます。コーンフレークを取り出すような感じで使用すれば、手を汚すこともなく、チーズに直接触れることもないため、衛生的な取り扱いが可能であり、結果的にカビの防止に優れた方法です。
チーズに存在する食用カビの特徴とは?
多くの人に親しまれる「カマンベール」や「ブリー」、「ロックフォール」、「ゴルゴンゾーラ」といったチーズは、ナチュラルチーズと呼ばれる種類に属します。ナチュラルチーズはその発酵と熟成過程における変容を通じて、味わい深い風味が味わえる食品です。
これらナチュラルチーズの一部は、白カビチーズや青カビチーズというカテゴリーに分けられ、その表面や内部に白カビや青カビを故意に育成し、それによって熟成が促されます。ここで活用されるカビは、「食べても安全なカビ」であり、人体に悪影響を及ぼす心配は無用です。
食用として安全なカビは、チーズにとってなくてはならない存在で、その独特の濃厚な味わいや香り豊かな風味を引き出す役割を果たしています。
チーズの賞味期限について
一般に、「賞味期限」とは美味しく食べられる期間を示すものです。期限を過ぎても即刻食べることができなくなるとは限りません。それとは異なり、「消費期限」とは食べても安全である最終的な期間を意味し、期限が過ぎると健康リスクを伴うことがあるため、注意が必要です。
一般市場で流通するチーズには、「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」と呼ばれる2つの大きなカテゴリが存在します。
ナチュラルチーズ
発酵が進行中で、時間が経過するにつれて熟成し、味わいに変化が訪れるタイプのチーズです。
プロセスチーズ
加熱処理により発酵が停止されているため、ナチュラルチーズのようには熟成しない特性を持っています。そのため、賞味期限は一般的に長めに設定されており、メーカーによって異なりますが、大体製造日から270日(約9ヶ月)を目安としています。
カマンベールチーズ
白カビチーズで、小さく柔らかい特徴を持ち、開封後に一週間が賞味期限で、保存は冷蔵庫で5℃以下で行うのが望ましいとされています。
独特の風味と深い味わいが特徴のブルーチーズやロックフォール、スティルトンなどは、青カビで熟成され、開封後の賞味期限は10日間で、10℃以下の冷蔵で保管します。
ゴーダチーズ
オランダ由来のチーズで、熟成が進むことにより、香り高く味わいが増していきます。開封後2週間が賞味期限であり、10℃以下の冷蔵が推奨されています。
モッツァレラチーズ
白くて一固まりの形状が特徴で、ピザに頻繁に使用されるこのチーズの賞味期限は開封後2日間であり、10℃以下の冷蔵で保存することが推奨されています。
パスタに仕上げとして加えられることが多い粉チーズには、開封後1ヶ月が賞味期限とされており、室温での保管が適しています。
チーズの最適な保存テクニック
チーズはそれを保管するときに冷蔵庫の乾燥には特に注意が必要です。冷蔵する際には、ラップでチーズの切り口を慎重に包んで、湿気のある野菜室に入れましょう。
またチーズは暑さにも弱いため、5~10℃の温度と80~85%の湿度を維持するよう心掛けてください。
特に柔らかいチーズは、アルミホイルやラップで包んで保存が理想的です。もしチーズの表面に湿気が見られたら、清潔な布で優しく拭き取り、再度包んでください。
さらに、長期にわたって保存を考えるなら冷凍保存がベストです。冷凍する場合には、チーズを空気を遮断できる容器に入れてから冷凍しましょう。冷凍したチーズは構造が変わることで、食感が少し落ちるものの、加熱すれば問題なく味わうことができるため、料理に使う予定がある場合は、冷凍保存が推奨されます。
チーズのカビ問題と冷蔵庫の関係
開封したチーズは、使用しきれずに再び冷蔵庫で保管されることがよくありますが、一度開口するとチーズが大気に触れて、その表面に空気中のカビ胞子が付着します。チーズは、豊富に含まれるタンパク質や脂肪といった栄養素がカビの成長にとってまさに理想的な環境を提供します。
ですから、開封後のチーズは密封包装して冷蔵保存しても、冷蔵庫の温度変化によってチーズから水分が出ることがあります。残念ながら、この水分がカビの繁殖を助けてしまいますので、特に注意する必要があります。
チーズにカビが生えた時の対応方法
万が一、ミックスチーズに生じたカビを食べてしまったら、以下の手順で対処してください
- その後の体調変化を気に留めつつ、安静に過ごすことが大切です。
- もし下痢や嘔吐が起こった場合は、なるべくそのまま排出させるようにし、薬は使用しないでください。
- 水分補給は十分に行いましょう。
- 半日ほど様子を見ても症状が改善しない場合は、医療機関を受診してください。
カビには人体に害がないものや食用とされるタイプもありますが、カビに含まれる毒素が問題を引き起こすこともあるため、特に古くなった食品には注意が必要です。腹痛や吐き気、嘔吐、下痢などが続く場合には、さらに深刻な健康問題へと繋がる可能性があるため、速やかに病院での診察を受けるべきです。
チーズは発酵を経て作られる食品であるため、一般的には一定期間の保存が可能ですが、それでも無期限に安全に食べられる訳ではありません。栄養価が高い分、保存状況によっては劣化が早まることもありますので、新鮮なうちに適切な形で楽しむようにしましょう。
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