鳥類学の分野では、「羽」も「羽根」も特に区別せず全て「羽」として扱われています。しかし、日常生活の中では、これらの言葉には異なる意味での使用が認められています。
例えば、「羽」という表記は、鳥の身体を覆っている軽やかな毛のことや、鳥や昆虫が空を飛ぶ際に用いる体の一部（昆虫であれば「翅」とも呼ばれます）、またその形状をした物を指して使われます。
反対に、「羽根」という言葉は、鳥類や昆虫の体から落ちた羽や、羽を加工した物品、それらを模したもののことを指します。
日常語で使われる「はねを伸ばす」「はねを休める」といった表現は、鳥の翼に例えたものなので、「羽を伸ばす」「羽を休める」と表記されるのが適切です。
また、「赤いはね」と言われる共同募金のシンボルは、単体で用いられるため「赤い羽根共同募金」と書かれます。
スポーツの世界では、バドミントンのシャトルや羽子板で遊ぶ際に使うはねは、一般的に「羽根」と呼ばれています。
飛行機の優雅な翼は「羽」と表現されますが、ヘリコプターや扇風機などのプロペラは「羽」というよりは「羽根」と表記されることが多いです。
トンボの美しいはねは自然の造形美として「羽（翅）」と呼ばれますが、竹製の玩具である竹トンボのはねは「羽根」と区分されます。
掛け布団の中に入っている暖かな「はね」については、一般的には加工された羽であるため「羽根」と表記されますが、時には羽本来の役割に関連して「羽」と言及されることもあります。
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