年末の節目として特別な日である大晦日、その過ごし方について様々な予定を立てる人も少なくありません。
従来の賑やかな祝い方から、最近は家族と静かに過ごすスタイルも増えてきました。
今回は、大晦日に避けたいとされる行いや恐れられる伝承、または、大晦日に行うと良いとされる風習をご紹介いたしますので、是非参考にしてみてください。
大晦日に避けたい4つの習慣
今回は、大晦日に行うと良くないとされることを4つご紹介しましょう。
まず、正月飾りを飾ることは控えましょう。
これには門松やしめ縄、鏡餅などが含まれます。これらは年神様を歓迎するためのアイテムであり、28日か30日には準備を終えるべきです。
大晦日にこれらの飾り付けをすることは「一夜飾り」となり、神様への失礼と考えられるのです。一晩で急ごしらえすることが、神様を軽んじる行為と受け取られがちです。
それから、餅つきも大晦日には控えるべきです。
31日についた餅は「一夜餅」と称され、急ぎすぎた準備が縁起が悪いとされています。
また、台所の水回りでの作業も避けましょう。
特に、灰汁を出すような料理を大晦日に作ることは避けるべきとされています。これは悪を象徴するさまとされ、お正月に神様を迎える大晦日には相応しくないからです。
最後に、料理全般についてですが、これは絶対避けなければならないわけではありません。
昔からの風習として、キッチンの火や水の神様に感謝を示し、休息を与える為に大晦日は料理をしないことがありました。
年始も同様に、神様をお迎えしている時なので、火や水を使わないようにしていたのです。しかし、現実問題として、お祝いの場でも食事は欠かせませんので難しいこともあります。
もし旅行などに出かけることができれば、この慣習を守ることも可能かもしれませんね。
大晦日に避けたい行動とその不吉な意味
大晦日に行うべきではない行為とその不吉な意味合いについてお話ししましょう。ご存知でしょうか、大晦日には早く床に就くことが好ましくないとされています。
古くから、「大晦日に早寝をすると白髪やシワが増える」という迷信が伝わっています。
この迷信は、加齢による容姿の変化、つまり老化のサインとして白髪やシワを見ることが多く、特に女性にとっては恐ろしいこととされています。
また、早く休むことは、神々への奉仕をおろそかにしていると見做されるかもしれません。それによって命のエネルギーが弱まり、結果として容貌の衰えを早めるとも考えられているのです。
大晦日の過ごし方とおすすめの行動
年が明けると同時に新しい年の神様を迎える準備をする大晦日。昔から伝わる伝承として、この日は徹夜で年神様をお迎えし、良い1年を願ってきました。
「日付が変わる瞬間まで起きている」「深夜に初詣をする」といった慣習は今も色濃く残っています。さて、大晦日に実践したい良い習慣をいくつかご紹介しましょう。
年越しそばを堪能する
年の瀬にそばを食べることは、「長寿」の象徴です。
寿命を象徴する細長いそばは、簡単に切れることから「一年の悪いことを切り捨てる」ともされ、純金や純銀の粉を回収する際にそば粉が使われていたことから「財運を招く」とも言われます。
そばはおいしいだけでなく、良い意味を持っているので、ぜひこの日にいただきたいですね。
除夜の鐘に耳を傾ける
年末に鳴り響く除夜の鐘の音には、迷いや苦悩を払いのける力があるとされています。どこか心地良く、安らぐものがあるでしょう。夜の静けさの中で響く鐘の音は、一年の締めくくりとしてもぴったりです。
「年の湯」で心身を清める
大晦日に入る特別なお風呂を「年の湯」と称します。かつては日常的に入浴する習慣がなかったため、お風呂が特別視されていました。
「年の湯」は、体を清潔にするだけでなく、一年間の厄を払い新年を気持ちよく迎えるための風習です。大晦日には、この年一度のお風呂を楽しんでみてはいかがでしょうか。
大晦日と正月の伝統的な過ごし方
年末年始には、昔から伝わる風習やタブーが存在します。昨今の生活では、これらを全て遵守するのはなかなか難しい状況かもしれません。
例えば、料理を作らず、洗濯を控え、家事も行わないといった行動は、旅行に出かけるなど特別な計画がない限り、厳しいですよね。
それでも、最近は家族で家にいる時間を大切にし、静かに新年を迎える方が増えてきています。こういった伝統や風習を、現代にあった形で再検討し、大晦日や正月を過ごすのも一つの方法でしょう。
過度に緊張することなく、年末年始に行う良いとされる行事—例えば年越しそばを食べ、除夜の鐘を聞き、大掃除をした後の清々しいお風呂に入るなど—は積極的に行うのがおすすめです。
心持ちによっては、一年の厄を洗い流すお風呂が、格別に気持ち良く感じられるかもしれませんね。
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