熱帯気候を象徴するパイナップルは、ほどよい甘さと爽やかな酸味で人気です。沖縄旅行中に、典型的なパイナップルと小振りなスナックパインを試したことがあります。
記憶に新しいのは、特にスナックパインの愛らしい外観と、食べやすくておいしいこと。一般的なパイナップルが皮が厚く、触ると少々痛いのに対し、スナックパインは手で簡単にちぎれ、その食感に魅了されるほど。つい食べ過ぎてしまい、舌がピリピリすることも。
夏場には、我が家でも割りばしにさした冷たいパイナップルが大人気です。冷凍してスムージーやデザートとして楽しむのもおすすめですが、缶詰や、酢豚やステーキ、ハンバーグの上に乗せたトッピングとしても大活躍。
スーパーマーケットなどでは、一年中カットされたパイナップルをパッケージで見かけますし、運動会など外出時の手軽なおやつとしても重宝します。
さて、そんなパイナップルですが、果たして本来の美味しい食べ頃はいつなのでしょう?皆さんも少しは気になったことがあるのではないでしょうか。
ここではパイナップルの美味しく食べるタイミングや、緑色の実を見かけたらどうするべきかについて考察してみましょう。
パイナップルの食べごろはいつ?見極め方はどうすればよいのか
スーパーマーケットの果物コーナーで一年中目にするパイナップルですが、他の果物と違って食べごろを意識することは少ないかもしれません。実はパイナップルにも食べ頃を判断するポイントが存在します。
さて、パイナップルが特に豊富に市場に出る時期を知っていますか?全国各地の店頭に年間を通じて並んでいますが、ピークの時期は5月前後です。
世界的に見ると、パイナップルの生産量の多いフィリピンから輸入されるものが約86%を占めており、次いで国内では沖縄産、更にはインドネシア産と続きます。
もし国内産のパイナップルに注目すれば、沖縄では6月から8月、石垣島産は5月から8月が旬とされています。国産はあまり生産量が多くないので、比較的高価になりがちです。
ただし、この旬の期間にはフレッシュで甘い香りを放つパイナップルが店頭に並びます。
ですが、パイナップルを丸ごと一個購入しようとした際、どの部分を見れば良いのか迷うことはありませんか?
バナナやメロン、桃、柿などは店頭で青い状態でも家で追熟を待つことで美味しく食べられます。この追熟とは、一定の期間を置くことで果実の甘さを増し、果肉を柔らかくする処理のことです。
しかしながら、パイナップルは追熟をしない果物であり、樹上ですでに完熟してから収穫されます。
したがって、市場に並んだその時が最も食べごろであり、家庭で時間を置くと悪化する一因にもなり得ます。カットされたパイナップルの賞味期限が短いのは、このような理由によるのです。
それでは、食べごろはわかったけれど、実際に丸ごとのパイナップルを選ぶ際、甘くてジューシーなものを見分けるための見極め方とは一体どうすればいいのでしょうか?
パイナップルの食べ頃を見分けるコツ1:重量をチェック
手に持ってみて予想以上に重みを感じたら、中はぎゅっと詰まっている証拠です。一方、思っていたより軽ければ、中身は乾燥していて期待外れかもしれません。重さで食べ頃を見極めましょう。
パイナップルの選び方コツ2:表面の粒粒の大きさに注目
パイナップルを選ぶ際、その表面を覆う粒々のサイズも重要なポイントです。パイナップルの表面の粒々は、花が開花した際に形成される細胞が密集している領域です。
そのため、細かな粒々が存在するものほど、緻密な細胞構造を持ち、美味しいパイナップルと言えます。
パイナップル選びのコツ3:葉のサイズにも着目
一見すると大きな葉を持つパイナップルが良いと思われがちです。
しかし、パイナップルが成長する過程で、エネルギーを果実と葉が共有するため、葉が小さめのものの方が栄養が果実に集中し、結果として味わい深い果実に育つと考えられます。
ですから、葉の小さいパイナップルほど、美味しい果実である可能性が高いのです。
パイナップルの適した食べ時の見分け方コツ4:甘酸っぱい香りが特徴
熟したパイナップルは、その実から甘くて心地良い香りを発します。完熟に達していない果実は、このような香りがほとんど感じられません。
パイナップルのコツ5:網目の凸凹に注目
パイナップルを選ぶ際には、網目状のパターンが際立っているものを見つけましょう。その網目がぷくっと盛り上がっているパイナップルは、甘みが強くおいしいことがよくあります。
さらに、果実の底部分がしっかりと太って感じるものも甘く濃厚な味わいが期待できるでしょう。ただし、選ぶ際は底部にカビが生えていないかをしっかりチェックすることを忘れないでください。
パイナップル選びのコツ6:形状に注目
パイナップルは、ふっくらとした丸い形のものが美味しいとされています。逆に、円錐形に近いパイナップルは酸味が強い傾向があるため、酸っぱさが際立ちがちです。
パイナップルの食べごろの色は?緑色の場合は?
パイナップルの選び方について興味はありますか?熟成しているものは黄色が鮮やかなものが美味しいと一般的には考えられがちです。
私もそのように信じて黄色いパイナップルを選んでいました。実際にはその見方は正しく、黄色みがかってツヤのあるものが美味しさを示しています。
しかし、市場には緑色をしたパイナップルもよく出回っていますよね。外見上はまだ熟していないように見えるため、私はこれまで手を出したことがありませんでした。
さて、これら緑色のパイナップルはどのような特徴があるのでしょうか?
黄色と緑色パイナップルの違いについて
浅黄色のパイナップルは成熟していそうで、つい購入してしまいがちですが、果たして緑色のパイナップルは酸っぱくて食べられないのでしょうか?そして、そんなパイナップルがなぜ店頭に並んでいるのでしょう?
パイナップルは実は木に生る果物で、収穫後もわずか数日で甘みが格段に増すと言われています。ただし、先にも触れた通り、パイナップルは「追熟」しない種類の果物です。収穫された時点で甘みがこれ以上増すことはありません。
他の多くの果物とは異なって、パイナップルは皮が緑色でも充分に成熟しており、甘くておいしいことがあり得ます。このため、表面が黄色いパイナップルと緑色のパイナップルでは、外観だけの違いに過ぎず、実の味は変わらない可能性があります。
成熟度に関して言えば、確かに黄色がかったパイナップルに成熟している確率は高めですが、これが100%を意味するわけではありません。したがって、色のみでの判断は避けた方が賢明です。
パイナップルのおいしさの見分け方と緑色のパイナップルの扱い方
パイナップルと言うと、「追熟」はしないという特徴があるため、摘果したその時が最も美味しい時期だという事実は意外かもしれません。
パイナップル選びは色だけで決めずに、形状や香り、そして重さなどを総合的に見ることが大切です。実は私も、鮮やかな緑色をしたパイナップルに挑戦してみようかと思っているのです。
ですが、一つ購入しても、食べきれない場合があるかもしれません。そういう時は、新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室に保管すれば、2~3日なら鮮度を保つことができます。冷蔵庫が満杯で入らないときは、風通しのいい場所での保存がお勧めです。
さらに、パイナップルは底の部分に甘みが集まりやすいため、葉っぱのある部分を下にして逆さまに保管することで、その甘みが果実全体に行き渡るので試してみてください。
パイナップルの上手な切り方
パイナップルの切り方にはコツがあります。葉のついた頭部をねじりながら引っ張ることで取り除きます。
その後、包丁を使ってパイナップルを半分に切り、両端を取り除きます。四つに割ったら、中心の芯を取り除いて、さらにそれを半分に切ると食べやすくなります。
この方法で切ると、より楽に美味しいパイナップルを味わうことができます。
ちなみに、最初に少しだけ触れたスナックパインも、同じく旬の時期に最高の味を楽しむことができます。まだ試したことがない方はぜひ味わってみてください。子供のおやつにもぴったりですよ!
コメント