皆さんの身の回りには、悩みを抱えて苦しんでいる大切な人がいるかもしれません。そんなとき、自然とその人を助けたいと感じることでしょう。
苦境に立たされている人々は、我々が「大事なことはない?」と尋ねても、「何も問題ない」と応じるのが通例です。
様々な困難を抱える人々がいますが、その状況に応じた言葉選びが求められます。不安を抱えた方へ寄り添うようにかけた言葉が、時にはその人を余計に追い込んだり、傷つけたりする恐れもあります。
今回は、そのような「非常事態にある人々」に対して、どのような言葉をかければいいのか、様々なケース毎にお伝えします。
大丈夫じゃない人にかける言葉の状況別
相手の心情にフィットしたコミュニケーションをここで解説します。
心の余裕を持たない状態
余裕がないことに本人が気づいていないことがよくあります。そのため、直接的な問いかけは避け、自尊心を保つような配慮が必要です。心が狭くなっている人に対しては、言葉の選び方に気をつけましょう。
いつものサポートに感謝
相手が厳しい状況にあることを温かく認識し、過去に受けた助けへの感謝を伝えつつ協力の手を差し伸べることで、助けを受け入れやすい雰囲気を作れます。
手助けの申し出
具体的すぎる申し出は相手を落ち込ませる原因になりかねません。力になれることがあればと伝え、自らを控えめにすることで相手の頼みやすい環境を整えましょう。
共感の提供
単に耳を傾けるだけでも、気が軽になることがあります。心配する様子を見せずに、いつでも話を聞く存在であることを示すと、相手が心を開きやすくなります。
リフレッシュの誘い
心の狭さの背景には仕事のプレッシャーや悩みが様々影響しています。信頼できる仲間との時間を持つことで、心と体がリラックスできる場合があります。
限界を迎えている人に対する接し方
どんなに頑張っても、学業や仕事などで自分の限界ギリギリまで力を尽くしている状態を、「限界限界」と表現することがあります。他人がこの状態になったとき、励ます言葉をかけたくなるものです。しかし、あなたの前向きな励ましも、相手には届かないこともあるでしょう。
それは、限界限界の状態が、水が溢れんばかりに満たされたコップのようなものだからです。そこには新たな言葉を受け入れるスペースがほぼありません。
限界に達している人に何かを伝える時は、まずその人のいっぱいいっぱいになっている気持ちを受け止めなければなりません。
限界限界の人に伝えたい言葉を次に紹介します。
その努力、本当に素晴らしいね
限界限界の状態にある人は、何かに深く集中しています。まず、そのがんばりを見ているということを認めてあげましょう。
自分も同じ経験があるから感じるよ
限界限界になっている原因はそれぞれです。しかし、同じような経験があると伝えることで、「自分だけがダメで限界になっている」という否定的な感情を少しでも和らげることができます。
努力しすぎるあなたへ
自分自身が果てしなく努力していることに察することは難しいです。あなたの献身的な働きを見て、周囲は「大丈夫かな?」と気遣ってしまうほどです。そういった時は、まずその献身を肯定し、評価を示してあげることが大切です。献身的な人はしばしば一人で全てを背負い込む傾向にあります。ですが、あなたが支えであり味方であることを伝えられれば、彼らも全てを一人で解決しようとするプレッシャーから解放されるでしょう。努力家へのエールは下記のようなものがあります。
最近本当に頑張っているよね、時には息抜きも必要だよ
始めに努力を評価し、疲れたら息抜きをすることも大事だと伝えることで、相手の心の余裕を引き出すことができます。
協力できることがあれば何でも頼ってね
彼らの取り組みを尊重しながらも、助け手が必要な場合は自分がそばにいると伝えます。
何かあればいつでも相談に乗るからね
努力を敬いつつも、必要な時にはいつでもサポートをするという姿勢を示す言葉です。
献身的な人には、何よりもまずはその努力を認めて応援することが重要です。そして、もし何かあったときは頼りにできる味方がいると分かるように伝えて支えて上げましょう。
不安を感じる時
不安を抱える人は、しばしば自己肯定感が弱まり、「自分は大丈夫なのだろうか?」「周囲に受け入れられているのかな?」といった心配に駆られることがあります。こうした人々には、積極的に「あなたはすばらしい人なんだよ、自分をもっと尊敬しよう」と励ましの言葉を投げかけることが効果的です。
あなたの努力に気付いているよ
自己信頼が薄い人はしばしば、「どうせ自分のことなんか誰にも注目されていない」と感じることがあります。そんな時、相手の努力を認識していることを示して、「あなたの頑張りはちゃんと見ているよ」と伝えることで、彼らの自信を高めることができます。
あなたを応援しているよ
この表現もまた、相手に「自分の味方がいるんだ」と実感させることで、心を軽くし自信をつけさせる言葉です。「自分には味方がいない」と感じることが多い人たちに対して、心からのサポートを表明することで、彼らの自信を養うことにつながります。
「大丈夫?」に「大丈夫じゃない」と返したら?
ほとんどの人は、「大丈夫?」と尋ねられると、ほとんど無意識に「大丈夫」と応じてしまいますよね。そして尋ねた側もその答えを期待しているものです。(笑)
しかし、「大丈夫じゃない」と告げられたら、ちょっと戸惑ってしまうことがあります。心配してくれる人は、普段から元気だと思っている人に声をかけることは少ないのですから。
このような状況で、「大丈夫じゃない」との返答にどう対応すべきか、性別に分けて提案しますが、共通して必要なのは「じっくり話を聞いてあげること」です。手を差し伸べるのはそのあとの話です。
男性の場合
- バッティングセンターでリフレッシュ
- カラオケでストレス発散
- ドライブを楽しむ
- ライブイベントで興奮共有
- サウナで汗を流す
男性には、アクティブに行動してもらい、ストレスを発散するおすすめプランです。
女性の場合
「大丈夫じゃない」と言った女性に対しては、まず納得がいくまでその理由を聞いてあげましょう。多くの女性にとって、語り合うことはストレス解消にもつながり、問題解決の一助となります。
お泊まり会や食事のセッションで、とにかく話をたっぷり聞くことが大切。その上で、
- カラオケで楽しむ
- 旅行で気分転換
- 有休を取るよう勧める
- 力になれることがあれば積極的に協力
こんなふうに、彼女たちを支えたり、元気づける方法を提案します。
「大丈夫」と言われても心が追いつかない時
多くの人が経験することでしょう。自分では不安なのに他人からは「大丈夫」と安易に言われるときの対処法です。
実は、相手にはゆっくりと考えたり感情を整理したりする時間が必要なのかもしれません。「大丈夫だ」と声をかけられる場合でも、本人が「大丈夫じゃない」と感じていることを理解することが大切です。
このような状況では、男女共に「ちょっとゆっくりさせてほしい」「ひとりでいたい」という心境があるかもしれません。
話を聞いてもらう前に独自に考える時間を求めているときは、本人が望むように一人でいさせてあげることが好ましいです。
その後で、支援が必要な時がくれば友人に連絡をすることが多くなります。したがって、「大丈夫」と言われた場合でも本当はそうでない可能性があるのです。
そんな時には、相手をそっとしておきつつ、「いつか心が落ち着いたら、お話しして」と伝えましょう。これは男性でも女性でも同様に、一人の時間を尊重し、相手が話したくなった時にいつでも寄り添えるよう待機する姿勢が重要です。
もしも、身体的や精神的な悩みが深刻で、何か危険を感じるような状況ならば、信頼する人物に事前に連絡を取り、その人を通じて相談を持ちかけてもらうのも一つの手段です。ただし、これは真に危険を感じた際に限定されます。
より適切な声掛けとは何か
先ほども触れたとおり、誰かが「大丈夫?」と尋ねた時、多くの人は無意識のうちに「大丈夫」と答えがちです。だからこそ、「大丈夫?」という問い掛けよりも、相手が話しやすい環境を提供することが大切だと考えます。
例を挙げるならば、「どう?」と単純に尋ねることが効果的です。この問いには、ただの返答ではなく、何らかの話をする必要があるため、自然と対話につながるのです。
もし話したくないと感じるようなら、相手が「ええ」とだけ返すこともあるでしょう。その場合は、少しそっとしておいてあげることが親切かもしれません。
さらには、「今、どんな感じ?」や「気持ちのパーセンテージで言うとどのくらい?」といった質問も有効です。これらは具体的な答えを引き出すことができるため、相手も話しやすく感じ、話を聞く側のあなただって、聞けて安心できるはずです。
心が痛む人への不適切な言葉選び 3つのタブー
時として、相手を慰めようとする一言が、反対に彼らの傷を深めてしまったり、心を閉ざさせるきっかけとなってしまうことがあります。
心を痛めている人に対して、どんな言葉を投げかけるべきかは状況によって違うのは明白です。ただし、いくつかの言葉は、どんなに良かれと思って使ったとしても、避けた方が良いでしょう。
ここでは、そんな心が痛む人に対して絶対に避けるべき言葉を3つ紹介します。
大丈夫?
心配のあまり、その人が本当に大夈夫かどうかをただ「大丈夫?」と尋ねることにはそれほど効果はありません。
多くの人々は、この問いに対しては「大丈夫」と答えるべきと感じがちです。
もしあなたが本当にその人の体調を気遣っているのであれば、「顔色が悪いようだけど、大丈夫?」といったように、具体的な理由を添えて尋ねることが優しさにつながります。
他の人の心配も抱えています
他人を引き合いに出すことは、時に相手の感情を害するリスクを伴います。自身の感情や考えをきちんと表現することで、相手もあなたとの対話に真剣になると感じることができます。
無理は禁物です
他人の限界を勝手に設定してしまうのは避けるべきです。そのような行為は、相手に「自分ならもっとできるはずだ」というプレッシャーを与え、心を閉ざさせる原因にもなりかねません。
見守る側としては心配からそういった言葉をかけがちですが、本来支えが必要な状況にある相手にとっては、逆効果になることも少なくありません。
相手を真に思いやるのであれば、その人の感情に共感し、適切な言葉を選ぶことが重要です。
まとめ
誰かが「大丈夫?」と尋ねたとき、多くの人は反射的に「大丈夫」と返事をしてしまうものです。しかし、親しい間柄であればあえて「大丈夫じゃない」と口に出すことは、その人があなたに対して心を開き、頼る気持ちを表している場合があります。
もし「大丈夫だ」という返答が返ってきても、何か心配事があるように感じたら、お茶に誘ったりして一緒に時間を過ごし、様子を見るのが良いでしょう。
人の心情は機械のように一定ではありませんから、どんな言葉をかければ良いかはその時々の状況や性格により異なります。
慰めや励ます言葉が逆に相手を傷つけてしまうこともあるからです。重要なのは、相手の感情に共感し、適切な心温まる言葉をかけることです。
ただし、相手が簡単に答えを返す場合は、少しの間だけ距離を保ち、様子を見る余裕を持つことも肝心です。
皆さんがお相手に対して持っている思いやりの気持ちが伝わることを願いつつ、この記事がそれを伝えるためのアイデアとなることを願っています。
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